近年ノマドワーカーという言葉を耳にすることが多くなりました。アメリカでは1983年にスティーブ・ロバーツという青年の記した本がきっかけでノマドワークという概念が生まれました。日本で初めてノマドワーカーという言葉がメディアに登場したのは2009年頃です。
ノマドワーカーが改めて注目され始めたのは、約3年ものあいだ猛威を奮っていたCOVID-19の大流行と深く関係しています。
人の密集を防ぐためにテレワークの技術が一気に加速しました。その結果会社員=オフィスで働くという図式が崩れはじめ、一方でノマドワーカーという働き方が現実的なものとして広がりを見せ始めたのです。
日本にいればそれほどの実感は湧きませんが、世界に目を向けてみると、ノマドワーカーという働き方はすでに新たなスタンダードとしての地位を確立しつつあります。
そして日本も遅ればせながら民間、行政の両面からの動きが活発となり始め、ようやくその潮流にのっかりつつあります。
「ノマドワーカー? 気にはなってたけどよくは知らないな」
そんな方はあとになって悔やむことのないよう、ここで理解を深めておきましょう。
今後の働き方を考える上で、選択肢は一つでも多くあるに越したことはありません。
結果それが不要であっても、知らなかったのと、知った上で選択しないのではまるで違います。
ぜひ最後まで読んで、「10年前に知っておきたかった」ということのないようにしておきましょう。
ノマドワーカーとは
ノマドワーカーという古くて新しい言葉は何かと誤解されやすい言葉でもあります。特に日本人にとっては耳慣れない単語なので、聞いただけでは意味をイメージしにくいところがあります。
ノマドワーカーの話を進めていく前に、まずは「ノマドワーカー」という言葉をしっかりと理解しておきましょう。
日本と英語圏での「ノマドワーカー」の意味合いの違い
日本で言う「ノマドワーカー」とは、英語圏でいうところの「Degital Nomad(デジタルノマド)」のことで、つまりネット環境を駆使してあちこち旅しながら働いている人たちのことを指します。
逆に英語圏でただ「ノマドワーカー」といえば、ネットを利用する技術を持たず、様々な事情から転々とせずにおれない労働者のことを意味します。
近年では2020年公開のアメリカ映画「ノマドランド」はまさにそうした内容で、リーマンショックにより家を追われて大陸を移動しながら、各地のアマゾンの倉庫で働くといったものでした。
ノマドワーカーとフリーランス・テレワークとの違い
ノマドワーカーという言葉は、日本人的には言葉の響きから意味が分かりにくいということもあってか、しばしばフリーランスやテレワークといった言葉とも混同されがちです。厳密には以下のようにそれぞれ定義は異なります。
- ノマドワーカー
働く場所や時間に縛られない、という「働き方」を示す言葉 - フリーランス
得意先やクライアントとの「契約形態」を表す言葉。 - テレワーク
情報通信技術(ICT)を活用した技術、またはその技術を利用した働き方のこと。
*ICT:Information and Communication Technology」の略称
こうしてみると、それぞれの言葉の意味はまるで違うことが分かります。
ノマドワーカーはその働き方からフリーランスというイメージが強く、仕事をする上ではテレワーク技術を利用している、となることから、しばしばこれらが同義語のように混同されがちです。
ただし全世界を対象としたリサーチでは、ノマドワーカーのうち46%がフリーランス、35%は企業に雇用されているという調査結果もあることから、ノマドワーカー=フリーランスという図式はまったく当てはまりません。
ノマドワーカーの働き方のメリット
1. 時間や場所に縛られない
Nomadという言葉が象徴するように、これこそがノマドワーカーの一番の魅力と言えるでしょう。
2. 身なりを気にしなくていい
身なりは「自分らしさ」の表現の一つと言えますが、オフィス勤めをしている時点で
ほとんどの人が多かれ少なかれ妥協を強いられています。特に日本は欧米に比べて服装の自由度は低いと言えます。
3. 人間関係のストレスが少ない
職種を問わず、今も昔も働く人の一番のストレスは人間関係にあります。そこを回避できるというのは、人生においても計り知れない恩呂であると言えるでしょう。
4. ワークライフバランスがとりやすい
仕事以外に夢や目標がある人にとって、ノマドワークは効率的に自分の時間を確保できるため、それらの実現を大きく助ける働き方だと言えます。
5. 力量しだいで収入アップが望める
どれくらい働くか、自分の単価をどれくらいにするかなど、すべては自分の決定しだいです。それを決定する難しさもありますが、会社勤めではその決定権は最初から自分にはありません
6. 自分の時間を多くとれる
オフィスワーカーは常にフル稼働しているわけではありません。必ずこなすタスク量には波があるものですが、就業時間は常に一定であるという理不尽さがあります。ノマドワーカーとして働いている人はその点無駄がありません。
ノマドワーカーの働き方のデメリット
新たな働き方を模索するときは、その段階でデメリットも理解した上で進めていくことが大切になります。ここでは代表的なデメリットを5つ挙げていますので、しっかりと確認してみてください。
1. 仕事場の確保に手間やコストがかかる
場所に縛られない、というメリットと対比するように、デメリットとして仕事場の確保があげられることがよくあります。これは定住しないというスタイルではあるが、働くにあたってはWi-Fi環境が必要ということが原因と言えるでしょう。
多くのノマドワーカーが難点として「高速で安全なWi-Fi環境の確保」を挙げています。
ノマドワーカーはWi-Fi環境を求めてコワーキングスペースや設備の整ったカフェなどを利用することになりますが、長時間の利用にあたっては苦労やトラブルがつきものです。
*コワーキングスペースとは、共有のオフィス空間のようなもので、様々な利用者デスクやネットワーク設備などをシェアできる場所のこと。
2. 安定した収入を得るのが難しい
自由との引き換えの最も大きな代償として収入の不安定さがあげられます。それゆえに、あえて会社員という道を選んでいる人も少なくはないでしょう。
実力がなければやり通すことは難しいライフスタイルであることに間違いありません。
3. セキュリティ問題(サイバー的に、または現実的に)
ノマドワーカーは公共の場所でフリーWi-Fiを利用して働くことになりますが、フリーWi-Fiは自宅やオフィスのWi-Fiと違ってセキュリティ面での危険性が高いものである認識が必要です。その危険を回避する知識などをあらかじめ学んで、上手にフリーWi-Fiを利用する必要があります。
また、ノマドワーカーはノートパソコンを持ち歩くことが多いので、現実的なセキュリティも十分考慮して行動しなければいけません。日本にいると窃盗などそれほどリアルには感じられませんが、海外では少しも珍しくありません。
筆者がロンドンに住んでいた時には、一度も窃盗に合ったことのない知人の方が圧倒的に少数でした。カメラにはじまり自転車やバイク、ほとんど何でも盗まれていたので、ノートパソコンのように高価で持ち運び安いものは特に要注意と言えます。
4. 確定申告や社会保険手続きを自分でやる必要がある
会社勤めの利点の一つは、こうした複雑な事務処理を会社がやってくれているところにあると言えるでしょう。フリーランスで仕事をしているノマドワーカーの場合、税金や保険などにまつわる手続き事はすべて個人で行う必要があります。
5. 社会的信用が低い
クレジットカードを作る、ローンを組む、そういった時に断然有利なのは会社員です。確実に稼いでいるといっても、収入の額と社会的信用とはまったく別のものであるということを頭に置いておくべきでしょう。
分かりやすい例では、誰もが知っている売れっこのお笑い芸人がカード審査に落ちた、なんて話はそう珍しいことではありません。それと同じことです。
日本で会社員という枠を飛び出して生きていくということは、そういうことでの苦労がついて回るという覚悟はあったほうがいいでしょう。
ノマドワーカーの働き方についてのメリット・デメリットの総評
表裏一体という言葉のとおり、メリットとしてあげられる要素は裏を返せばデメリットにもなる、といったことが分かります。
収入に関しては安定を求めるのは難しいようですが、働き方には満足しているという調査結果がでています。
このグラフはMBO Partners(アメリカの人材プロバイダー会社)の調査結果より抜粋し、一部日本語の説明を付与したたものです。
出典:MBO Partners 調査結果
https://www.mbopartners.com/state-of-independence/2020-digital-nomads-report/#
働き方の1つの選択肢として、ノマドワーカーのメリットとデメリットを見てきました。では具体的にどんな人がそのメリットをうまく利用してやっていけるのか、その辺りにポイントを当てて見ていきましょう。
ノマドワーカーの働き方が向いてる人
どんな職業でも向き不向きというものがあります。ここではノマドワーカーという特殊な働き方に向いていると考えられる資質を3つ挙げてみました。自分に合っているか確認してみましょう。
1. 人生に冒険的要素を求める人
会社員であれアルバイトであれ、通常は決まった場所で働いて一定の収入を得るということになります。
ノマドワーカーは働く場所が決まっていないうえに、たいていは収入が一定ではありません。
そのような状況を一種の冒険として楽しめるくらいの気質があれば、デメリットもメリットとなり、ノマドワークを楽しむことができるでしょう。
2. 独りでいることが好き
定住せずに好きな時間に働くということは、すなわち人と密に接することが極端に少ない生活様式と言えます。孤独を楽しむという気質がノマドワーカーには必要でしょう。
実際ノマドワーカーが旅をやめて自国に戻る理由で最も多く挙げられたのは「寂しくなった」というものでした。
メリットとデメリットが表裏一体であることを端的に表す興味深い結果です。
3. 仕事以外に夢や目的がある
ノマドワーカーは自分の能力次第では効率的に働いて自分の時間を捻出することが可能な働き方です。通常は夢や目標はあれど、働きながらそれらの時間を確保するのは難しいものです。
仕事は生活基盤を築くためのもので、本当にやりたいことはほかにある、というような人は、ノマドワーカーという働き方それ自体が大きな魅力となり、モチベーションも上がることでしょう。
ノマドワーカーの働き方に必要な能力
魅力的なメリットも多いノマドワーカーという働き方ですが、誰でもできるというものでもありません。ここではノマドワーカーとして働くにあたって必要と思われる能力を5つ挙げています。
1.遠隔でのコミュニケーション能力のある人
ノマドワーカーはたいていクライアントから遠くにいるので、必要なやりとりは主にメール、時には電話やリモート接続したPCを介しての会話となります。
メールでのやりとりは実際の会話に比べて遥かに手間がかかります。またテレワークでの会議経験のある方はご存じのとおり、これも生の会話に比べると難しいものです。
2.交渉力のある人
年功序列で自動的に給料が上がっていく世界ではないぶん、自分の能力に対しての正当な対価を得るには、自ら交渉していく必要があります。これは最初から得意だという人はあまりいないでしょう。実地に学んでいく覚悟が必要です。
3. 主体的に行動できる人
フリーランスという契約形態でノマドワーカーをするのであれば、自分から仕事をとり、必要であれば交渉もするという主体的な姿勢が求められます。待っていてもタスクを与えられる世界ではありません。
4. 自己管理能力がある人
一人で働くということは、体調を崩したときにも代わりはきかないということを意味します。自己管理能力は、仕事の能力と等しく求められるものと言えるでしょう。
5. 一人で業務を完遂する能力のある人
あたりまえのことのようですが、ノマドワーカーとして一人で移動しながら働くということは、業務も完全に一人仕事になるということです。
一定の品質の成果物を期日までに納品する、というタスクを常に一人でこなすというのは楽なことではありません。企業であればチーム全体でPDCAサイクルなどという概念に沿って品質管理を行なったりします。
ノマドワーカーの働き方に向いている職業7選
ノマドワーカーとして働くといっても、それが実現可能な職種というのはある程度決まっています。
条件は以下のようになります。
- 契約上、出社の義務がないこと
- インターネット上で仕事の受注から成果物の作成、納品まで完遂できること
契約は職種に関係なく様々なので、ここでは「2.インターネット上で仕事の受注から成果物の作成、納品まで完遂できること」の方に焦点を当てて見ていきましょう。
この条件に見合う職業は無数にありますが、その中でも代表的な職種を7つ挙げてみました。
1. Webデザイナー
クライアントが求めるWebサイトのデザインを制作する仕事。クライアントのイメージするデザインに沿った機能的な構成を提案し、イラストレーターやフォトショップなどのツールを使ってページデザインを行います。
2. Webマーケター
SNSやチャット、オウンドメディアなどにおいて、商品のマーケティングやプロモーション行うのがWebマーケターの仕事。具体的には集客を増やしたり、会社の製品やサービスがより売れるようなWeb上の仕組みづくりを行います。
3.ITエンジニア
T技術者の総称。ハードウェア、ソフトウェアの両面からシステム開発からインフラを設計・構築や運用保守まで担います。
IT技術にはアプリケーション、データベース、インフラ基盤などで専門が分かれ、それぞれ職種も分かれています。システムエンジニア / ネットワークエンジニア / サーバーエンジニア / ゲーム など。
4. コンサルタント
クライアント企業の経営課題を明らかにし、具体的な方法や道筋をアドバイスする仕事。コンサルタントは英語で「consultant(相談役、顧問)」を意味し、課題を解決するための相談、指南それ自体がサービスとする職業です。
5. Webライター
Web上でクライアントの意向に沿った記事を作成する仕事。検索結果で上位に上がる記事の書き方、クリックされやすいタイトルネーミング、SNSでシェアや拡散されやすい記事の作り方など、それらを実現するためのSEOの知識を身に付ける必要があります。
また文章の執筆だけでなく画像の挿入なども手がけることがあるので、著作権やファイルサイズの最適化などの知識も必要となります。
6. プログラマー
「プログラム言語」によってコンピューターを動かすための作業指示書を書く仕事。プログラム言語は幾種類もありますが、代表的なものでRuby、Python、Java、PHPなどが挙げられる。
現代では様々なものがプログラム制御されています。金融機関のATMや物流システムもそうですし、身の回りのものでもWEBサイト、テレビ、電子レンジ、スマートフォン、Youtubeやゲームなど無数にあります。
7. アフィリエイター
アフィリエイト広告(成果報酬型のインターネット広告)をブログやSNSで紹介し、その広告から商品またはサービスが売れた時に広告主から支払われる報酬を得ている人のこと。
完全に個人で完結しているため、自由度はほかのどの職業よりも高い。
ノマドワーカーの救世主、デジタルノマドビザについて
これから解説する世界や日本のノマドワーカー事情という話には、デジタルノマドビザという言葉が頻繁に出てくるので、ここではまずそのデジタルノマドビザというものについての解説をしておきましょう。
デジタルノマドビザの概要
日本でいうところの「ノマドワーカー」とは世界では「Degital Nomad(デジタルノマド)」と言い、デジタルノマドビザとは「ノマドワーカー専用のビザ」ということになります。
そしてこのデジタルノマドビザ導入の流れは世界規模で拡大を続けており、その国と地域は2023年6月末時点で40カ国以にのぼります。
デジタルノマドビザの生まれた背景
これもきっかけはCOVID-19の流行であり、テレワーク技術の進化と共にCOVID-19の影響で激変した観光収入を埋め合わせるように、世界中のノマドワーカーを呼び寄せようという狙いが根底にありました。
その後COVID-19が終息に向かっても増幅を続けるノマドワーカー人口をみるにつけ、それは経済規模的にも無視できないことが明らかとなり、世界中でデジタルノマドビザ導入の動きが加速しているのです。
デジタルノマドビザが必要とされる理由
ではなぜ専用のビザが必要なのでしょうか。その理由としては、ノマドワーカーが観光ビザで入国した場合は長期滞在は難しく、かといって就業ビザはその国の企業との雇用が前提の場合が多いため、取得が難しいという問題がありました。それを解消するために開発されたのがデジタルノマドビザなのです。
国によって取得の条件や期間は様々ですが、一般に半年から数年と長期にわたってその国に滞在できるビザとなっています。
滞在する国以外の国でリモートワークして一定の収入を得れること、つまり滞在する国の労働市場に参入しないことなどを条件に発行されるので、自国の労働市場を圧迫されることなく受け入れ国にお金が落ちる仕組みになっています。発行する国とノマドワーカーの双方においてメリットのある仕組みと言えるでしょう。
Wi-Fi環境やコワーキングスペースの充実なども重要ですが、ノマドワーカーを呼び寄せるにはもはやデジタルノマドビザの導入は欠かせない要素となりつつあります。
世界、及び日本のノマドワーカーの状況
グローバルな世の中とはいえ、ノマドワーカーの海外の状況などは、日本で普通に生活していて勝手に入ってくるものではありません。
ここではまず世界に目を向け、それに対して日本がどういう状況にあるのかということを見ていきましょう。
2023年現在、世界中に3500万人以上のノマドワーカーがいるとされています。また今後数年間でさらに大幅に増加するとされ、2035年には10億人を超えるという予想もあります。
世界各国と同様に、アメリカにおいてもCOVID-19の流行がノマドワーカーの人口を増加させました。2020年には自身をノマドワーカーだとする人口は1,090万人にのぼり、2019年からの1年で49%増加している計算になります。
出典:MBO Partners 調査結果
国別でのノマドワーカーの割合では全世界の52%がアメリカ人であり、全世界の53%のノマドワーカーはアメリカを旅先として選んでいるということです。
これはノマドワーカーに必要な環境、すなわちWi-Fi環境の整ったカフェやコワーキングスペース、またデジタルノマドビザなどが整っているということを意味していると言えるでしょう。
その他の国々のノマドワーカーの人口比ではイギリスがトップで、ロシア、カナダ、ドイツと続きます。
出典:Statista
日本におけるノマドワーカーの動き
2023年現在でも、日本ではまだまだノマドワーカーが労働形態の一種として認識はされていません。その理由は大きく分けて以下の3点が挙げられます。
1. テレワーク導入企業の減少
世界的にはCOVID-19のパンデミックが起爆剤となりテレワーク技術が進化、その流れからノマドワーカーの増加という潮流がありますが、日本ではCOVID-19の衰退と共にテレワークをやめて元に戻の労働形態に戻す企業も一定数あり(特に地方に顕著)、それが時流に逆らう結果をもたらしているとも考えられます。
2. フリーWi-Fiの普及率
以前はフリーWi-Fiの接続ポイントが圧倒的に少ないと外国人観光客には不評でしたが、東京オリンピックをきっかけにかなり改善されました。それでもまだフリーWi-Fi大国であるアメリカ、カナダ、フランス、シンガポール、韓国などに比べると少ない方です。
3. デジタルノマドビザの未導入
東京は都市としての人気でいえばトップクラスですが、一方でノマドワーカーにふさわしくないという調査結果もあります。理由は「長期滞在のビザの取得が難しい」というものでした。
日本におけるノマドワーカーの展望
遅ればせながら、デジタルノマドビザの導入については2023年6月に一つの閣議決定がなされました。
「国際的なリモートワーカー(いわゆる「デジタルノマド」)の呼び込みに向け、ビザ・在留資格など制度面も含めた課題についての把握・検討を行い、本年度中の制度化を行う」
引用 経済財政運営と改革の基本方針2023 について 令和5年6月16 日閣議決定
また決して十分とは言えなかったコワーキングスペースの数についても、行政、民間の両方から動きが活発になっており、全国で一律に4年連続で増加傾向にあります。
一般社団法人 大都市制作研究寄稿(Institute of Metropolitan Policy) 2023年3月10日
ノマドワーカーの集う場所は都心部とは限らないので、地方のコワーキングスペースの施設数に関しては心細い感もありますが、その地方でも増加を続けていることは一目瞭然です。
デジタルノマドビザの導入も一気に現実味を増してきています。
これが実現すれば、今後の日本におけるノマドワーカーの様々な統計にも確実に影響を及ぼすことでしょう。
まとめ
現状は「ノマドワーク後進国」ではあるが、ノマドワーカーにとって重要なWi-Fi環境やビザの問題が解決に向けて動いていることは大いに心強いことです。
世界に目を向けてみると、先進国や途上国に関係なくノマドワーク実現に向けての動きが活発化していることは明らかであり、それはすでに働き方の新たなスタンダードが生まれようとしているといっても過言ではありません。
選ぶ仕事や性格的な適性など、いろんな要素で働き方は決まっていくものですが、あとになって「そんな選択肢があったのか」と悔やむようなことは避けたいものです。
将来、過去の自分に向かって教えてやりたかったと思えるようなことは、たった今学んでしまいましょう。
ノマドワーカーはリモートワークをして生活の糧を稼ぎながら世界を旅します。
もしそんな生き方に共感できるなら、行動を起こすのは今です。
コメント